『艦これの二次創作に使えるフリーストーリー』のkapivara 様による後日談SSをお届けします!!

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『艦これの二次創作に使えるフリーストーリー』のkapivara 様による後日談SSをお届けします!!

『艦これの二次創作に使えるフリーストーリー』の後日談SS
SS作者:kapivara
SS著作権:げーむやかん
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^^^^^^

今日はいつもより海の風が強い日だった。
本日の日和は晴天ながら波高し。

>今日も今日とて、戦闘に明け暮れる艦娘たち。

場所は西方海域にあたる、ジャム島周辺の海域。

出撃して1時間ほど経った頃に、瑞鳳が偵察機を発艦させていたところ、わずか数十分足らずで無線連絡が入る。

瑞鳳
「偵察機より入電!敵巡洋艦3隻、駆逐艦3の哨戒艦隊です!」
吹雪
「水雷戦隊ですか?」
瑞鳳
「うーん、恐らく重巡を含むかとー…」
陸奥
「あらあら、久しぶりに手応えがありそうね」
摩耶
「ちぇ、空母じゃないのかー せっかく装備新調してやったのにな」

最近、この鎮守府では駆逐艦を起用した作戦が多く、戦艦などの出番が少なかったため
普段は大人の余裕を感じさせる陸奥でさえも、高揚を隠せない様子だ

「 私たちの出番、あるのかしら?」
吹雪
「 敵潜水艦も確認されてるみたいですよ! ちょっと多めに爆雷を持ってきたんです!」
「なっ…それどういうことっ!?」
吹雪
「ちゃんと要項に書いてましたよ?」

どうも暁は、任務要項に潜水艦の情報ありと記載されているにも関わらず、爆雷を多めに準備することを忘れてしまったようだ

そんな暁に、摩耶はぼやく

摩耶
「おい暁、また忘れモンか?」
「そう…だったかしら… せっかく選ばれたのに、いつも通りくらいしか持ってきてないわ…」
吹雪
「暁ちゃん、そういうこともあるよ!私のを分けてあげます!」
摩耶
「まったく…チビの仕事は水雷戦だろ?しっかりしな!」
陸奥
「もう、摩耶もそう言わないの そういうこともあるわよ」
「次からは忘れないわ!ぜったい!」
蒼龍
「瑞鳳ちゃん、そろそろ?」
瑞鳳
「はい、あと数分で目視できる範囲です」
蒼龍
「よしっ、攻撃隊発艦準備!」

今回、航空母艦での出撃が要とされ、中では戦闘経験が豊富な軽空母の瑞鳳に加え、正規空母の蒼龍が起用されていた。

陸奥
「よし、やるわよっ!暁たちは私の後ろについて警戒陣の隊形で、私達に任せてちょうだい」
摩耶
「安心しなっ!この摩耶様が背中を守ってやるからな!」
吹雪
「はいっ!」
「…」
摩耶
「いつまでしょげてんだ…よっ!」

どこか居所が悪そうな暁の頭を摩耶はくしゃくしゃとかき回す

「ひゃああっ」
摩耶
「一応上の見張りは頼むぜっ!」
「と、当然よっ!」

それから程なくして、敵艦隊が目視できる距離まで迫っていた

陸奥
「よし、戦闘態勢!陣形そのままで突っ切るわよ!」
陸奥
「目標、敵重巡!砲門、開けっ!撃てーっ!」
摩耶
「喰らいやがれっ!」

陸奥は、敵巡洋艦を凌ぐ射程のアドバンテージを逃すまいと、すぐに砲撃体制に移行した。

同じ巡洋艦ながら、高い練度を誇る摩耶も遅れまいと、ぎりぎりの仰角

で20センチ砲を構える。

「だんちゃーく!今!」
「初弾…… うーん、効果不明?」
摩耶
「ま、夾叉ってとこだろ 次行くぜ!」
吹雪
「敵、攻撃準備!こちらに向いています!」

敵の攻撃がまさに始まろうというところで、瑞鳳と蒼龍の艦爆隊が敵艦隊に攻撃を開始した

瑞鳳
「今よっ!当たって!」

攻撃は命中。敵の駆逐艦が高らかな爆音を散らした。

陸奥
「あらあら、一方的になっちゃうわね」
蒼龍
「もちろんです!始めから躓いてられないんだから!」

……

一方では戦闘が繰り広げられているなか、鎮守府ではゆっくりとした時間が流れていた。

響、雷、電たちは昨日に出撃をしていたため、休養を与えられていた。

「暁お姉ちゃん、今頃がんばっているのでしょうか」
「電、どうしたの急に?」
「ううん、なんとなく思っただけなのです」
「暁も大変だろうけど、次に控えている任務も目を通したほうが良さそうだね」

そうして響は、つい先程手渡された任務概要の書類に目を通している。

「対潜哨戒任務… 私たち駆逐艦の仕事とはいえ、気の抜けない作戦だね」
「魚雷に当たるのだけはちょっと…」
「大丈夫!わたしだっているわ! もし魚雷が当たっても、痛いのも半分こすればいいわ!」
「それもそうなのです!よかったのです!」

口を挟むのも野暮な気がした響は、淡々と話を続けることにした

「以前この海域周辺は穏やかだったけど、最近になって潜水艦が出没したみたいだね」
「前に遠征へ行く時に通ったところでしょ? 波も穏やかで、いい海だったと思うわ!」
「ううっ、また対潜演習、しないとだめですね…」

すこし対潜戦闘に不安を覚える電は、演習のことを思い出すように目を空向ける

「あっ」
提督
「やあ、それには目を通してくれたかな?」
「司令官!ちょうど今、作戦会議中よ!」
「思いで話をしていただけじゃないか…」
提督
「うん、まあ特別伝えることがあるわけじゃないけど、くれぐれも気をつけて欲しい
暁が戻ってからすぐにでも始めたいが…暁のことも考えて数日後にしよう」
「司令官はやさしいのです!」
提督
「まあ君たちにムリさせるほど、切羽詰まってないよ…」
「その後にも任務は控えているのかい?」
提督
「うん、まあいくつか。 ただ司令部にもう一度確認を取ってから追って連絡するよ」
「…そうだ、司令官」
提督
「なんだ?」
「任務の概要に大きめに、爆雷を多めにもっていくように書いておいて欲しいんだ」
提督
「おいおい、今更必要ないだろう、ははは」
「念のためだよ」

ーーーーー

「へくちっ!」
「んんっ… そんなに寒くないと思うんだけど…」
陸奥
「だれかがウワサしてるのかもね?」
「ふふん!更にレディとして磨きがかかった暁にウワサがながれるのも仕方ないわね!」
瑞鳳
「でも、わすれものしちゃった…でしょ?」
「瑞鳳さんまでいじわる言わないでっ! レディだってミスくらいするわっ!」
蒼龍
「そろそろ揚陸地の所に近づいてますよ 二人共、よろしくね!」
吹雪
「はい、運ぶのは燃料でしたよね」
蒼龍
「うん、一応手すきに見させてきたけど、周りも問題ないみたい。内湾は狭いから、私たちは外で待ちましょうか」
陸奥
「そうね 二人共、一応気をつけるのよ?」
「もちろん!行ってくるわ!」
吹雪
「すぐに戻りますっ!」

「よっ、と… さて、どこに燃料は置いてるのかしら?」
吹雪
「あれじゃないかな? 思ってたより少ないけど…」

二人は、砂浜に不自然に置かれている燃料の入ったドラム缶をひょいと持ち上げる。

吹雪
「それにしても、誰がこれを置いてるんだろうなぁ… あれ、暁ちゃん?」
「見て見て吹雪!綺麗な貝殻があったわよ!」
吹雪
「わぁ…本当ですね!」
「これは吹雪にあげるわ! あとは響、雷、電…司令官にも持っていってあげようかしら」
吹雪
「じゃあ手分けして探しましょう!少しくらい寄り道してもいいかな」

……

摩耶
「遅せぇよ!どこで道草食ってたんだ!」
「ご、ごめんなしゃ……」
吹雪
「わ、私が悪いんです!少しくらい私が寄り道していいかもなんて言うから……」
陸奥
「緊急任務じゃないからまだ大丈夫だけど、次からはダメよ?」
吹雪
「以後気を付けます……」
蒼龍
「まぁまぁ!艦載機の整備もあったから丁度よかったですし!」
瑞鳳
「うんうん!たまには息抜きしてもね!」
「これ、みんなに…」
摩耶
「あん?なんだこれ?」
「きれいな貝殻を拾ってたの…みんなのお土産に考えてて時間がかかっちゃって…」
吹雪
「ほんとは司令官たちの分だけだったんですけど、つい…」
陸奥
「あらあら、これじゃあ怒るに怒れないわね」
摩耶
「まったく…何も出撃中にやるこたないだろ…」
「はい、摩耶さんの分!次は気を付けるわ!」
摩耶
「…おう、ありがとよ」
蒼龍
「あれ、もういいの?」
摩耶
「何がだよっ!」
陸奥
「さてと…和んだところで、そろそろ行くわよ」

はーい

…………

一行は、以前の情報で潜水艦が確認された海域に近づきつつあった

陸奥
「さて、そろそろね」
瑞鳳
「索敵機からは何もないなぁ……」
摩耶
「よし、こっからはお前らの出番だな」
陸奥
「みんな、輪形陣になりましょう。 おチビちゃんは左右に別れて頂戴」
「なら、暁が右側に出るわ!」
吹雪
「では、私は左舷の音を拾います」
蒼龍
「私たちは索敵を続けます」

一行は輪形陣を形成し、暁、吹雪が側面になり、前方と後方に陸奥、摩耶で中央に空母を固める形となった。

暁と吹雪は神妙な面持ちになりながら、海面下に潜む潜水艦の音を探る。

かつてならタービンの音だが、深海棲艦たちは不気味な唸り声のような音を発する。

そのため、艦娘にとって発見はそう難しいことではなかった。

グオオ、グオオと 暁には確かに聞こえた。

だが、潜水艦の方向と耳を澄ます方向が違っていた。

「2時!2時の方向!発見遅れたわ!」
吹雪
「推進音、近づいてます!」
陸奥
「くっ…当たるわよ!」

そういった瞬間、海面近くを走る魚雷が見えた
魚雷はそのまま陸奥と暁の間を抜け、蒼龍と瑞鳳がいる中央へと向かった

蒼龍
「え、うそ!?」
瑞鳳
「やだぁ!ちょっとぉ!」
「させないんだからっ!」

そう叫ぶと同時に、暁の携える12.7cm砲が蒼龍と瑞鳳のいる海面へと照準した

陸奥
「あ、暁ちゃん!」
摩耶
「おい、本気か!?」
「当たったらごめんなさいっ!」

誰もが暁の正気を疑ったその瞬間、間髪いれずに陣形のど真ん中には大きな水柱が上がった

その衝撃で暁は弾き飛ばされてしまった

「あいたた…… もう、びしょびしょじゃない!」

見事、暁は味方に当たる寸前の魚雷を自らの主砲で撃ち抜いた

摩耶
「おい!まだ終わってないぞ!」
「もう許さないんだからねっ!」

ーーー

「それでっ?私たち4人で向かえばいいの?」
提督
「ああ、そのつもりなんだが、もしかしたら直前で編成を変えるかもしれない」
「何かあるのかい?」
提督
「駆逐艦だけで索敵が追い付くかどうかがな… 航空戦艦や軽空母が必要になるかもしれない」
「6隻ではダメなのかい?」
提督
「潜水艦が蔓延る海域だからな 可能な限り編成は縮小したい」
「そうしたら電たちはどうなるのです?」
提督
「……そうだな、それなんだが――

……

その頃、一行は敵艦隊の主力の敵艦載機に苦しめられていた

「いたいっ!いたいわねっ!なんなのっもう!」
吹雪
「なんだか、敵の空母の戦闘機がすごい撃ってきますよ!?」
摩耶
「だあーっ鬱陶しい! ここまでしつこいとさすがに面倒だぜ! 直掩機は出せないのか!?」
瑞鳳
「今は攻撃隊に回してて予備の機体しか無いのよっ!」
蒼龍
「持ってる武器だけで何とかするしか無いですよーっ!」
陸奥
「それなら!向こうは攻撃隊に任せてこっちに集中するのよ!」
摩耶
「ちっ、それなら仕方ねぇ…やるしかないな!」

摩耶は砲雷撃戦を好むため敵艦を気にしつつだったが、陸奥の指示に従うことにし、自慢の対空装備で対空射撃を始めた

伊達に改装された対空装備ではなく、みるみるうちに空が晴れていくように、敵艦載機は海に没していった

摩耶
「はん!やる気になりゃあどうってことないな! もういいだろ!?」
陸奥
「ええ!倍にして返すわよ!砲雷撃戦、用意!」
「吹雪!やってやりましょう!」
吹雪
「はいっ!魚雷装填よし!撃ちますっ!」
蒼龍
「あっ、攻撃成功! 攻撃隊の爆撃効果有り!」
瑞鳳
「やったあっ! 後はおまかせしますっ!」
陸奥
「撃てーっ!!」

その後、順調に戦闘は運んだ

吹雪と暁の発射した魚雷は見事に敵空母を仕留め、陸奥と摩耶による砲撃でその他艦艇も撃滅に追い込んだ。

皆が予想していたより、あっけない主力撃破に終わった

提督
「ようっ、お疲れ様!」
陸奥
「思ったより楽勝だったわね」

陸奥は余裕そうな目で提督にウインクを飛ばした

提督
「はは、頼もしいな?」
摩耶
「あたしは結構楽しかったぜ! ちょっとチビが暴れ過ぎだったけどな!」
「またチビっていったわねっ!さっきの返してよっ!」
摩耶
「やなこった!」
瑞鳳
「私たちは暁ちゃんに助けられちゃいましたからね!」
蒼龍
「うん、一瞬どうなるかと思っちゃった」
吹雪
「司令官!暁ちゃん凄かったんですよ!」
提督
「ああ、わかったわかった 取り敢えず今は休んでくれ 暁、都合がついたら適当な時に来てくれ」
「このレディになにかご用かしらっ?」
提督
「ああ、頼れるレディに次の作戦の話だ」
「えーっ!またなの!?」

暁は無事に戦闘から帰還し、戦闘報告も済ませた後、姉妹と一緒に湯に浸かりながら、今日の武勲を嬉々と話した

「そんな感じで、今日のあたしは大活躍だったんだから!」
「暁ちゃん、すごいのです!」
「いいなぁ~、あたしも司令官に頼りにされたいわ!」
「潜水艦はどうだったんだい?」
「…えっ! あぁー…あれね!うん、もちろん!凄かったわよ!」
「でも、演習のときは私よりだめだったじゃないか」
「響までそういうこと言うの? もう…追加で爆雷を持っていくのを忘れたわよ…知ってたんでしょ!」
「え、そうなの? やっぱり案外ドジねー!」
「いいじゃないっ!全部忘れるよりマシだわ!」
「電は輸送任務のときにドラム缶を忘れたこともあったのです…」

そんな他愛もない話で談笑する

「まあ、暁はまた作戦で大変だろうけど、みんなで頑張ろう」

おーっ!!

……

一方、提督は昼間に電たちに話していた作戦について確認を取っていた

提督
「……」
大淀
「提督、どうかしましたか?」
提督
「うん、実は前に皆が話してた”作戦”のことなんだが…」
大淀
「工作艦の件ですか?」
提督
「ああ、あの辺りの海域はかなり突破が困難だったみたいだが、別の鎮守府の艦隊が撃滅したそうだ」
大淀
「あら、いいじゃないですか 何か心配なことでも?」
提督
「手筈通り工作艦はこちらに寄越してくれるそうなんだが、その作戦がな…」

……

時刻は午後の8時を回り、もう直休む時間ながら、提督は任務の旨を第六駆逐隊に伝えることにした

提督
「遅くにすまない 一応、重要な任務なので早めに話しておこうと思ってな」
「任務って、対潜哨戒任務のこと? そこまで重要な事かしら」
「それも重要じゃないってことはないと思うけど…」
提督
「いや!実はその任務は君たちにはもう任せないことにした」
「えっ!私たちじゃ頼りないってこと?」
「雷ちゃん、そうじゃないと思うのです!」
提督
「そうだ 実は前に君たちが話していた明石邂逅作戦のことなんだ」

提督は、先程確認した明石が駐留する海域の敵は別の鎮守府艦隊が撃滅したことと

改めて新しい任務として「明石護送任務」を出すことに決めた

「えっ!?明石に会うのが大変って聞いてたのに、なんだかびっくりね」
「苦労しないで出会えて、あとは護送するだけ…か」
「私の武器も改装して貰えるのかしら! そうしたら、司令官も私を頼ってくれるわよねっ!?」
提督
「まあまあ、落ち着け… この作戦は、一応君達4人に任せる…とはいえ、
直前まで敵の大艦隊が居座っていた海域だ、油断したら危ないことは分かってて欲しい」
「他の艦隊が護送するのではないのかい?」
提督
「うーん、それもいいんだが、向こうの艦隊は戦艦と正規空母を含む水上部隊だからな。
どのみち明石をこちらに引き渡すことになるなら、我々が迎えに行くほうが都合がいいんだ」
「じゃあ、まだ見たことのない艦娘さんもいっぱいいるかもしれませんね!」
「そっか!じゃあヤマトとかもいるのかしら!」
「えっ!ヤマトもいるの!?」
提督
「はは、まあわからんがな… とりあえず、しっかり任務は頭に入れておいてくれ、演習も日時までしっかりやっておいて欲しい。以上だ」

「「はーい」」

4人は、明石がどのような風貌なのか、どんなことができるのか想像を膨らませながら姉妹は部屋に戻った

寝間着姿で、任務について話し合っていた

「でも、護送任務って、一体どんなことをすれば良いのです?」
「明石は武装が少ない艦って聞いてるよ 足も速くないらしい だから、潜水艦の餌食に鳴らないように私たちが着くんだ」
雷「戦闘が目的じゃないから、駆逐艦が選ばれるのね でも、本当に大丈夫かしら?」
「それなら暁が、とっておきの電探を持っていくわ!」
「え、そんなのあるの?」
「この前、工廠で試しにやってみたらできたのよ!」
「摩耶さんに貰ってたんじゃないのかい?」
「それは対空電探!私のは水上電探よ!」
「あと、なにか持っていけるものはありますか?」
「うーん…お腹が空くから、おにぎりも持っていきましょう!」
「それならお茶!いえ、紅茶ももっていくわよ!」
「おにぎりに紅茶って合うの~?」
「装備の話じゃないのかい、3人とも…」
「あっ、そうでしたね うーん…そうですね…」

そこで、暁が閃いたような顔をし、こう言う

「煙幕!煙幕はどう!?」

「「えんまく?」」

「そうっ!前交渉に行った時、よくわからない缶を見つけたの!聞いてみたら、煙幕だって聞いたのよ!」
「えんまくって、忍者が使うものですか?」
「昔使ってたこともあったらしいわよ!」
「使ってるの見たこと無いけど…使えるのかい?」
「大丈夫よ!いざって時に使えばいいんだから! それに、缶は一個しかなかったのよ」
「そうか…むやみには使えないね 一応点検くらいは…」

響が言葉をかけようとすると、午後は22時を回る鐘が鳴った

「あ、もうこんな時間… 詳しくは明日話しましょ!」
「ふわ~あ…そうね… 今日は疲れちゃったわ…」
「暁、お疲れさま」
「どうってことないわ、お姉さんだもの… うぅん…」

……

数日後、明石護送任務は予定通り決行することになった。

提督
うむ、では一応確認をしておこう
今回の任務は明石護送任務。行きは第六駆逐隊4隻、帰りは明石を連れて5隻 帰投は明朝。
沖ノ島海域に到着したら、別の鎮守府の水上艦隊が駐留しているはずだから、確認を取り次第出発してくれ くれぐれも気をつけろよ」
「司令官、バッチリこなして帰ってくるわ!暁が着いてるから心配いらないわ!」
提督
「その意気だ。響は…心配いらないと思うが、暁やみんなも頼んだよ」
「もちろん。司令官の期待に応えるよ」
「精一杯頑張るのです!」
「雷だって心配いらないわ!この日のために訓練もしたんだから!」
提督
「よし結構!行って来い!」

「「了解!!」」

「えっと…どっちに進むんだったかしら?」

ずこっ

……

出発後、電と雷は小気味に鼻歌を唄いながら海を滑っている。

暁は響と方向を確認しながら、絶対に失敗しないようにと気張っていた。

「そろそろ沖ノ島周辺海域だ、みんな。潜水艦は確認されてないけど、暁が耳を使うから、3人で周辺警戒しよう」
「はーい!」
「なのです!」

暁は前回の失敗を拭おうと、ひとり珍しく、真剣な表情で眼下の海中に目を光らせる。

どこか、電と雷はピクニック気分が抜けないようだ。

そうしたのもつかの間、敵潜水艦はおろか、敵艦を発見することもできないまま、ついに味方艦隊の駐留域まで到着した。

「あっ、あれがそうじゃないかしら」
「すごいのです…戦艦の艦娘さんもいっぱいいますよ…?」
「ねえねえ!あの一番大きいのがヤマトかしら?」

雷の元気な声が届いたのか、4人が目を向けていた艦娘がこちらに目を向け、手を振ってくれた。

その中には大和もいたようだ。

そして、任務の話を通すべく、4人はその手を振ってくれた艦娘たちの元へと赴いた。

その艦隊の参謀とも取れる大型艦船級の艦娘が、優しく迎え入れてくれた

「第六駆逐隊の響です。明石護送任務の件で、呉鎮守府から派遣されてただいま到着しました」
長門
「うむ、私は長門だ。妹の陸奥が世話になっている。ここまでご苦労だった」
加賀
「加賀です。よく無事で来たわ」
大和
「大和です ここまでご苦労様でした… あなた達だけで来たのですか?」
「はい 護送なら我々だけで十分と判断したので」

すると、目を輝かせながら後ろから見つめていた3人がついに口を開いた

「…!暁っ! 第六駆逐隊の長女の暁ですっ!」
「雷よっ!本当に大和さんっておっきいのねっ!」
「い、電ですっ!」
大和
「あら、なんだかアイドルになった気分ですね」
長門
「アイドルはもう別のがいるだろう」

そう笑みを浮かべながら冗談交じりに長門は言う

加賀
「あら、あなたが長女ではないのね…てっきり」
「うっ…」

そこで少し暁は、その態度にカチンときたか、レディの威厳を保つためか響の役を代わり、手のひらを返して話をした

「ちょ、ちょっと響っ!代わって!」
「ちょっ、暁」
「とっ、とりあえず…工作艦明石の護送の件で来たわ!私たち4人でも全然不足じゃないわ!むしろ、手に余るくらいよっ!」

その必死な態度に、大和はおしとやかに笑う

大和
「ええ、そうみたいですね 明石はあちらにいますよ 桃色の髪をした艦娘です」
長門
「うん、では帰りも気をつけてくれ」
加賀
「まだ撃ち漏らした敵がいるかもしれませんし、直掩機を付けましょうか」
「大丈夫よっ!ここまで無事に来たんだし、手を煩わせるのも申し訳ないわ!」
加賀
「そうですか ではくれぐれも気をつけて」

「こんにちはーっ!!」

難しそうな顔をする明石に対し、響や暁はどのような声をかけようか迷っていた中、いちばんに雷が声を上げた

明石
「うわっ! と…びっくりした… あなたたちは?」
「今日明石さんを護送する任務をしに来た第六駆逐隊なのです!」
「長女の暁よっ!よろしく頼むわ!」
「響です 今回はよろしく」
明石
「あはは、こんなかわいらしい娘たちが護衛…ちょっと拍子抜け…いやいや、逆に頼もしいですねっ!」

そして、ここぞとばかりに皆の質問が明石に集まる

「はいっ、はいっ!電、明石さんに質問があるのです!」
明石
「おっ、どうしたの?」
「明石さんは艦隊で何のお仕事をするのです?」
明石
「うーん、ドッグにいればちょっとした修理もしますし、工廠で装備の改装なんかもしますね」
「装備の改装って、私たちのもできるのかしら?」
明石
「もちろん!主砲だけじゃなくて、魚雷なんかも出来ますよ!」
「みんな、質問はあとでもできる。できるだけ日が落ちる前に行動しよう」
「そうそうっ、私はお姉さんだから、わかってたけどね!」

……

「はぁ、そろそろ海の音を聞くのも飽きてきちゃったわ」
「私が代わろう 暁は周りを頼むよ」
「うーん…行きも敵はいなかったし、大丈夫じゃない?」
「雷ちゃん、そういうのを慢心というのです!」
明石
「実はあの艦隊の偵察機が、一機だけ返ってこなかったんですよねー… もしかしたらもあるかもしれないし…」
「それなら尚更ね! でも、今回はこの秘密兵器さえあれば…」
明石
「秘密兵器?なんですか、それ?」
「煙幕筒って言うらしいわ!うちの鎮守府に一個だけあったの!」
明石
「へぇ、珍しいですね…動くんですか?」
「うーん…わからないわ!」
明石
「ええっ… 錆びついてるし、最悪動かないんじゃ…」

すると、右舷を見ていた電がいつになく声を上げる

「敵っ、敵艦が見えるのですっ!」
「え、うそっ!?」
「艦種は… 巡洋艦が3隻はいるかな…ちょっとまずそうだね」
「どうするのっ!?全速力を出したら、明石さんだけ置いていっちゃうし…」
明石
「め、面目ないです…」

そうこうしているうちに、敵艦隊はこちらに気が付き接近してくる

「あいつら来てるわよっ!やるしかないのっ!?」

すると、暁は思い出したかのように例の筒を出す

「まって!これがあるじゃないっ!」
「いちかばちか…暁!」
「えーっと…これがこうだから…えっと、こうねっ!えいっ!」

だが、暁の持つそれはうんともすんとも言わなかった

「なっ、もうっ!なんで動かないのよっ!」
明石
「やっぱり動かないんですか、それっ!?」
「やっぱりって明石さん、知ってたの!?」
明石
「いや、それはなんとも…」
「すぐそこまで来てるのです!」
「向こうの射程に入るわよ!」
「うぅっ…またこんなヘマしちゃうなんて…」
「落ち込んでも仕方ないよ 腹をくくろう、暁」

その直後、動きに遅れて敵の砲声が轟いた。

狙いは明石であることは明白だった。

明石
「きっ、来た来たっ…!うわぁっ!」

遠距離の砲撃のため、明石でも交わすことは出来たが、まだ攻撃は止まない

「…みんな!ここは暁に任せて!」
「暁、何言ってるのよ!」
「暁ちゃんだけ置いて帰れないのです!」

血迷った暁の発言に、響が口を挟む

「暁、私も行こう。二人で雷撃を仕掛けて離脱。その間に雷と電は離れるんだ」
「大丈夫なのです…?」
 「脅かして帰るだけさ。暁、やろう」
「…当たり前じゃない!言われなくてもやろうと思ったところだわ!」
「じゃあ、雷ちゃんと明石さんを引っ張っていくのです!」
明石
「動けるのに曳航される日が来るとは思わなかったですね…」
「それじゃ、行くわよ! せーのっ!」

電と雷に牽かれることによって、明石は幾分かましな速力が出せるようになった

それと同時に暁と響は踏み出し、ふた手に分かれて魚雷を交差させながら発射。その後反転をする手筈をとった。

「これでうまくいけば足止めにはなるはずだ。間違えても当たらないように行こう」
「響こそ、当たったら承知しないわよ! もちろん、敵の砲撃もよ!」
「うまくやるさ」
「当たって痛くっても知らないんだからね!」

無茶極まりないその作戦は、違う方向へとずれた

そのまま敵重巡は増速し魚雷を回避、後続の駆逐艦が犠牲となり、更に第六駆逐隊を追う覚悟だった。

「っ!まずい…!」
「あわわ…反転!反転!」

敵艦が増速したことに加え、軸はずれているものの

接近する形となった二人は急いで反転したが、その場所は優に敵の射程内だった

「二人共、うまくやっているのでしょうか…」
「きっと大丈夫よ! 一応、こうして私たちも離脱できたし、後は二人が戻ってくるはずだわ!」
明石
「ええと、見えないこともないですが…」
明石
「反転してきてます…敵艦の攻撃を避けながら」
「ええっ、それ、危ないんじゃ!?」
明石
「…でも、まだどうにかなりそうです!」
「どういうことなのです?」

すると、3人の耳には遠くから軽快に空に響くエンジン音が聞こえた

「えっ、なに!?」
「あれは…」

暁たちの後ろをついてくる敵艦の更に後方の空に、味方の識別の雷撃機と戦闘機たちの編隊が見えていた
瞬く間に味方機は敵艦を覆い、こちらに目もくれず対空砲火を加える。

だが、敵を覆うほどの数にも関わらず、でたらめに撃つ対空砲火に当たる機体は一機もいなかった。

「司令官…なの?」
「いや、連絡は行ってないはずだよ。あの識別色は…」

加賀
「ええ…そう、攻撃開始 撃沈次第帰投して頂戴」
長門
「やはり念のために付けておいてよかったな」
加賀
「このまま見過ごすようにするのも申し訳がたちませんから。私たちも攻撃隊が戻り次第出発しましょう」
大和
「さすが、一航戦ですね!」

……

「司令官、戻ったわよ!」
「なんとか成し遂げたよ」
「ただいま!司令官!」
「見ての通り、みんな無事なのです!」
提督
「よく戻ったな みんな、お疲れさま」
提督
「そして…君が明石か。途中戦闘に見舞われたようだが、君も無事で何よりだ」
明石
「ええ、ははは…私のせいで狙われちゃったのかもしれないのですけど…」
提督
「そう多くいる工作艦ではないからな。だがそんな中でよく守りきってくれた。さすがだな」
「ふふ、当然よっ!」
「暁ちゃんが、1人であんなこと言ったときはびっくりしたのです…」
「心配しなくても、あれくらいでも私ならちゃんと戻ってくるわ!」
「でも響に先導されっぱなしだったわよ~?」
「違うわよっ!響に花を持たせてあげたの!」
「そうか、それは嬉しいな」
「あっ!それひにくよ、皮肉!知ってるんだから!」

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※このSSは『艦これの二次創作に使えるフリーストーリー』を読まれたkapivara 様が、新解釈を加えて後日談のSSを創作されたものです。

※この後日談SSは、フリーコンテンツではありません。

SS作者 kapivara様から皆さんへのコメントをいただいているので紹介します。

 今回は、ちょっと意外なブログでの紹介という願ってもいない機会に恵まれ、戸惑い混じりでしたが最終的には楽しく書かせていただきました。
艦これは個人的に色々と思い入れのある作品なので、取り組めて良かったです。

 個人的にSS等を書く際には自分なりの手法や拘りを持って取り組んでいて、その中でも読者にとって読みやすいようなものを意識して書いています。

 拙い文ですが、楽しんでいただけたら幸いです。今回は機会をいただき、ありがとうございました。


 一応拘ってる部分というのは、艦娘ごとの口調、性格。提督の呼び方(司令官、提督など)
また「このキャラはこういうことは言わないだろうなぁ」というのを意識して書いてます。良くも悪くも原作に忠実…だと思います。
 

 戦闘に関しては、出来るだけリアリティを追求しながら独自解釈を加えて書いています。個人的にそういうものが気になるタチなので、見てもらう方にはそういう部分で楽しんでもらえたらな…と思ってます。
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ゆっくり他いろいろの自作素材配布所 です。 素材がダウンロードできない等々何かありましたら作者のツイッ...

吹き出しの大部分に 三毛また 様の配布素材を使わせていただいています。

基本的にSS(小説)を書いているものです 絵を描いて活動してみたいけど絵は描けないので文字で表していくすたいる 艦これ、けものフレンズ 今はこれくらいです どっぷり浸かったコンテンツのキャラクターを主人公にして話を広げたり想像していくのが大好き コメントなどいただけたらうれしいです  ココナラでSSの依頼執筆...

キャラクターのショートストーリーを書きます アニメやゲームキャラの本編ではないやりとりを見たい!という人

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